魅力的なメッセージは、「ヘルシー」「環境」「動物」がキーワードに
プラントベース継続意向が強い方の62.2%は、「世界の飢餓や貧困を減らしたい」
生活者起点のリサーチ&マーケティング支援を行なう株式会社ネオマーケティング(所在地:東京都渋谷区)は2022年2月24日(木)~2022年3月2日(水)の7日間、全国の20歳~69歳の男女を対象に「プラントベースフード」をテーマにインターネットリサーチを実施いたしました。
<調査背景>
近年のSDGsの広がりを背景に、プラントベースをコンセプトとした飲食店や植物素材を使った食品、植物由来で作った肉風・卵風の食品等、プラントベースの取り組みをおこなう企業が徐々に増えています。メディアでも取り上げられてはいるものの、日本では未だ発展途上にある「プラントベースフード」。
今回は、「プラントベースフード」の食生活を実践している方を対象に、改めてそのきっかけや継続理由、満足度等を探りました。「プラントベースフード」を紹介する際に魅力を感じるメッセージや、「プラントベースフード」の情報入手方法等といった、企業側からのアプローチのヒントとして使えるデータとなっていますので、ご参考に是非ご覧ください。
【調査概要】
調査の方法:株式会社ネオマーケティングが運営するアンケートシステムを利用したWEBアンケート方式で実施
調査の対象:アイリサーチ登録モニターのうち、全国の20歳~69歳の男女で、以下の条件にすべて合致する方
①動物性食品を食べる頻度:「全く食べない」方から「1週間に3~4回程度」までの頻度の方
②植物性食品を食べる頻度:「毎日」「1週間に5~6回程度」「1週間に3~4回程度」までの頻度の方
③代替肉と代替ミルク:代替肉を「よく食べる」「時々食べる」方、かつ代替ミルクを「よく飲む」「時々飲む」方
④「プラントベースフード」の食生活の実践:「実践している」「やや実践している」と回答した方
有効回答数:357名
調査実施日:2022年2月24日(木)~2022年3月2日(水)
「プラントベースフードで考える、これから」主な質問と回答
◆「プラントベースフード」を紹介する魅力的なメッセージは:「ヘルシー」「動物」「環境」がキーワード
「ヘルシー」というワードがトップとなった。しかし、上位5つのうちの3つには「動物」「環境」というワードが共通して入っていた。「肉と変わらないおいしさ」「動物性食品よりもおいしい」といった動物性食品と比較したメッセージよりも、「おいしい」「やさしい」ことにプラスで、「動物」「環境」へのメリットを伝えるメッセージに魅力を感じる方は多いようだ。
◆「プラントベースフード」の継続意向が強い人は:「プラントベースフード」の食生活をする理由として「世界の飢餓や貧困を減らしたい」が最多
「プラントベースフード」の食生活を「今後も継続したい」と回答した方の、「プラントベースフード」の食生活をする理由を見ると「世界の飢餓や貧困を減らしたいから」が62.2%で最多となった。また「アニマルライツに関心があるから」と回答した割合も、体質改善やダイエット等といった理由を抑え56.5%を獲得。
【動物性食品・植物性食品を食べる頻度】
動物性食品を食べる頻度について、「全く食べない」方から「1週間に3~4回程度」までの頻度の方で、かつ、植物性食品を食べる頻度が「毎日」「1週間に5~6回程度」「1週間に3~4回程度」までの頻度の方を対象としています。
※動物性食品とは、動物に由来する食品で、肉・魚・貝・卵・乳製品などと、これらの加工食品のこと
※植物性食品とは、植物体に存在する食品で、穀物・野菜・豆・ナッツ・果実・キノコ・海藻などと、これらの加工食品のこと
【代替肉を食べるか・代替ミルクを飲むか】
代替肉を「よく食べる」「時々食べる」方、代替ミルクを「よく飲む」「時々飲む」方を対象としています。
摂取している頻度の割合は、代替肉よりも代替ミルクの方が高いことが分かります。
※代替肉とは、大豆などの植物性原料を使い、肉の味・食感に近づけた食品のこと
※代替ミルクとは、豆乳・アーモンドミルク・ココナッツミルクなどの牛乳の代わりとなるミルクのこと
【「プラントベース」の食生活の実践状況】
普段、「プラントベースフード」の食生活を実践しているかについて、「実践している」「やや実践している」と回答した方を対象としています。
「やや実践している」と回答した方が大多数を占めましたが、22.7%の方は明確に「実践している」と回答しています。
「プラントベースフード」について、どの程度知っているかお聞きしました。
「詳しく説明できる」「説明は出来ないが言葉と内容を知っている」と回答した方で80%近くを占めました。「プラントベースフード」の食生活を実践する方の多くは、内容について概ね理解しているようです。
一方で、「プラントベースフード」という言葉を知らずに、「プラントベースフード」の食生活を実践している方も約10%存在することがわかりました。
「プラントベース」の食生活を実践するようになったきっかけをお聞きしました。
以前実施した調査「全国の16歳以上の男女を対象に聞いた『日本のビーガン・ベジタリアン実態調査』」(https://neo-m.jp/investigation/3120/)を比較すると、特に「芸能人・インフルエンサーなど」「テレビ(メディア)」をきっかけと回答した割合について、その属性によって大きな差があることが分かりました。
プラントベースの場合は「テレビ(メディア)」をきっかけとする割合が最も多く、半数を超えました。一方ビーガンは「芸能人・インフルエンサーなど」で56.8%を集めています。
ビーガンの場合、自身が信頼しているインフルエンサーや好きな芸能人の考え方・思想への共感をきっかけとすることが多く、プラントベースはテレビ等各種メディアでの紹介で魅力を感じたことをきっかけとする場合が多いのかもしれません。
普段「プラントベースフード」に関する情報をどこで入手しているかお聞きしました。
「テレビ番組/テレビCM」が約50%でトップとなり、そこに23.3ポイント差で「WEBメディア」が続きました。
前掲した設問【「プラントベース」の食生活をはじめたきっかけ】でも「テレビ(メディア)」がトップでしたが、「プラントベースフード」の食生活を実践している方は、情報源としてテレビの重要度が高い可能性があります。
「プラントベースフード」の食生活を実践している理由をお聞きしました。
※アニマルライツ:動物が人間からの苦痛(虐待や傷害など)を受けることなく、動物が動物らしく生きる権利のこと
上位4つには、健康関連の悩みを解消しようという理由が集中しました。
しかし、「環境を守りたいから」と回答した割合も比較的高く、「ダイエットをしたいから」「美肌になりたいから」よりもそれぞれ5ポイント・8.4ポイント高い26.6%となりました。
「プラントベースフード」を紹介するメッセージとして、魅力的に感じるものをお聞きしました。
「ヘルシーなのにおいしい」が32.5%でトップ、そこに「植物由来で健康的」「動物にも人間にもやさしい」が続きました。「ヘルシー」「健康」というワードの強さが分かります。しかし上位5つまでは僅差であり、その中の3つには「動物」「環境」というワードが入りました。
「肉と変わらないおいしさ」「動物性食品よりもおいしい」といった動物性食品と比較したメッセージよりも、「おいしい」「やさしい」ことにプラスで、「動物」「環境」へのメリットを伝えるメッセージに魅力を感じる方は多いようです。
プラントベースフードを紹介する際は、是非参考にしてみてください。
近年、プラントベースをコンセプトとした飲食店・植物素材を使った食品・植物由来で作った肉風・卵風の食品等、プラントベースの取り組みをおこなう企業が徐々に増えています。
これら企業の取り組みに関する情報について、普段どのような姿勢で収集しているかお聞きしました。
「自ら積極的に追っていて、必ずチェックしている」「自ら積極的には追っていないが、たまにチェックしている」と回答した方は77.6%と、企業の動きに敏感な様子が分かります。
本調査は、代替肉を「よく食べる」「時々食べる」方、代替ミルクを「よく飲む」「時々飲む」方を対象としています。
※代替肉とは、大豆などの植物性原料を使い、肉の味・食感に近づけた食品のこと
※代替ミルクとは、豆乳・アーモンドミルク・ココナッツミルクなどの牛乳の代わりとなるミルクのこと
代替肉・代替ミルクの味やにおい、見た目等に満足しているかお聞きしました。
どの項目についても「やや満足」の割合が最も高く、半数以上を占めました。その中でも、「満足」と回答した割合が最も高くなったのは「味」・「見た目」で、30.0%となりました。
どの項目についても、「不満」と回答した割合は「満足」と回答した割合と比較して、目立ってはいませんが、「やや満足」が半数以上を占めていることから、味やにおい等の各要素は改善の余地がまだまだありそうです。
「プラントベースフード」への取り組みに対する今後の継続意向についてお聞きしました。
「今後も継続したい」と回答した割合のみでも40.1%、「今後もやや継続したい」と回答した割合も合わせると90%強と、非常に高い継続意向となりました。
「今後も継続したい」と回答した方の、前掲した設問【「プラントベースフード」の食生活をする理由】を見ると、「世界の飢餓や貧困を減らしたいから」と回答した割合が最も高く62.2%となりました。また「アニマルライツに関心があるから」と回答した割合も、体質改善やダイエット等といった理由を抑え56.5%を獲得しています。
「世界の飢餓や貧困」「アニマルライツ」、これらについてはSDGs(持続可能な開発目標)17の目標の考え方とリンクした理由だといえます。(特に1.2)
「プラントベースフード」の食生活の継続意向が特に強い方は、健康や美容目的よりも社会問題への意識が強いことが分かりました。
今関心を持っている社会問題についてお聞きしました。これらの社会問題の多くは、前掲したSDGs(持続可能な開発目標)17の目標とリンクしています。
※上のグラフは「関心を持っている」「やや関心を持っている」の合計
90%以上でトップとなったのが「環境関連の問題」、次いで「食料関連の問題」でした。やはり「プラントベースフード」の食生活を実践している方は、環境や食料の問題に関心が強いことが分かります。
■この調査のその他の質問
・普段の運動頻度・普段の自炊頻度
・「プラントベースフード」継続・非継続理由(自由記述) 等
■この調査で使用した調査サービスはコチラ
ネットリサーチ:https://neo-m.jp/research-service/netresearch/
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<例>「生活者を中心にしたマーケティング支援事業を提供する株式会社ネオマーケティングが実施した調査結果によると……」
■「ネオマーケティング」
URL:https://neo-m.jp/
ダウンロードしていただくと、リリースデータをPDFでご覧いただけます。