高校選びにおける、親世代と現役学生世代の選定ポイントに差あり。
学生の半数以上が、進路・進学について「親」に相談。
親と子で共通認識を持つための情報提供が重要に。
生活者を中心にしたマーケティング支援事業を提供する株式会社ネオマーケティング(所在地:東京都渋谷区)は2024年2月5日(月)~2024年2月7日(水)の3日間、全国の15歳以上の男女を対象に「学校ブランディング」をテーマにインターネットリサーチを実施いたしました。
<調査背景>
文部科学省が発表したデータによると、全国の公立学校は2002年度から2020年度の間で、延べ8,580校(小学校5,678校、中学校1,721校、高等学校1,181校)が廃校。少子化を背景とする学生の人数減少に伴い、今後さらに廃校が増えることが予測されています。
この流れに逆らい学校を存続させるには、今まで以上に"選ばれる学校"になるためのブランディングが、学校側にとっては重要になってくるでしょう。
そこで、今回は公立学校の中でも「公立高校」を軸に調査を実施。親世代と現役学生世代の双方から、学校の選定理由や進学・進路の相談相手など、「学校選び」に関連する様々な行動を調査し、考察を加えました。是非、今後の施策立案の一資料としてご活用ください。
【調査概要】
調査の方法:株式会社ネオマーケティングが運営するアンケートシステムを利用したWEBアンケート方式で実施
調査の対象:全国の15歳以上69歳以下の男女のうち、現役高校生もしくは高校生以上の子を持つ親
有効回答数:11,259名
調査実施日:2024年2月5日(月)~2024年2月7日(水)
「学校ブランディングに関する調査」主な質問と回答
◆高校に入学する際の選定理由は:親世代と現役学生世代の選定ポイントに差あり。
「いずれの区分・世代においても「教育レベルの高さが適切であった」ことが選定理由として最多。しかし公立高校においては、現役学生世代が親世代より「進学率・進学実績」を18.0ポイント、「クラブ活動」を16.3ポイント重視する結果に。私立においては、現役学生世代が親世代より「校舎が綺麗」を16.5ポイント、「設備の充実」を7.8ポイント重視する結果に。
◆進路・進学について一番相談する(した)相手は:現役学生は私立・公立ともに、半数以上が「親」に相談。
公立学生で50.8%、私立学生で71.0%と、大多数が「親」と回答。いずれも親の価値観や経験が、子どもの進学先選定に大きく影響していそうだ。
まず、自身が進学した高校について、入学する際の選定理由として当てはまるものをお聞きしました。
以下のグラフは、全体の結果での上位10項目を表示したものと、その上位10項目を出身高校区分・世代ごとに表示したものです。
選定理由として、いずれの区分・世代においても「教育レベルの高さが適切であった」ことが選定理由として最も多いことがわかりました。
公立の場合は「地理的な利便性(自宅から通いやすい)」も重要な指標となっているようです。
ここで注目なのが、親世代と現役学生世代の選定ポイントの差。
公立高校においては、現役学生世代が親世代より「進学率・進学実績」を18.0ポイント、「クラブ活動」を16.3ポイント重視する結果に。
また、上記のグラフには表示されていませんが、私立においては、現役学生世代が親世代より「校舎が綺麗」を16.5ポイント、「設備の充実」を7.8ポイント重視する結果に。
「教育レベルの高さが適切であった」点は親子間で共通の選定理由となっているものの、子ども側(現役学生)のみが注目している選定理由も、公立・私立それぞれにあることがわかります。
次に、進路・進学について相談する(した)相手として、当てはまるものをお聞きしました。
以下のグラフは、「一番相談した人」として回答した結果を、現役学生世代と親世代に分けて表示しています。
現役学生は私立・公立ともに、「親」への相談がトップに。
私立の学生にいたっては71.0%と大多数が「親」と回答しており、公立の学生よりもさらに親への依存度が高いことがわかります。
いずれにしても、親の価値観や経験が子どもの進学先選定に大きく影響していそうです。
一方、その親世代が子どもの進路・進学について相談する(した)相手としては、「親」が26.7%でトップ、その次に「学校の先生」が25.2%に。
先ほどの公立の学生の回答結果でも「学校の先生」への相談が19.4%を占めていましたが、親と子、双方の相談先となっている点で、「学校の先生」の意見も学生の・進学に大きな影響を及ぼすことが考えられます。
以上の結果から、学生から選ばれる学校になるには、様々な方面からの理解・推奨が必要であることがわかります。
学校側としては、学生向けのアプローチだけでなく、親世代向けのアプローチとして、入学後の子どもをイメージしやすい情報(例:現役学生のクラブ活動の様子や授業中の様子、大学合格体験談)や、学校に対する解像度を上げる・子どもと共通認識を持つための情報を積極的に提供したり、先生側が学生側に推奨しやすいよう"学校の強み"を整理した情報を提供したりと、学生の周りの人を意識した取り組みが大事になってくるでしょう。
最後に、自身が通っている(通った)高校は今後10年後どのような状態になると思うか、お聞きしました。(※すでに卒業している人は卒業した高校を想定して回答)
以下のグラフは、現役学生・出身者の回答を「私立」「国立」「公立」別に分けたものです。
私立・公立どちらも80%以上、国立についても74.9%と大多数が存続を予想しており、現役学生側・出身者側からは、現時点であまり廃校の危機感を抱いていないことがわかりました。
しかし現実問題として、公立学校は2002年度から2020年度の間で、延べ8,580校(小学校5,678校、中学校1,721校、高等学校1,181校)が廃校しています(文部科学省より)。
また、2024年度から東京都では私立を含めた全ての高校を対象とする「授業料の実質無償化」を実施。他県もそれに追随する動きを見せています。今後は私立と公立の差別化が難しくなる可能性もあり、公立高校の廃校危機はますます深刻なものとなりそうです。
存続を当然として期待する現役学生側・出身者側のためにも、教育レベルがマッチしただけの理由でなんとなく選ばれるのではなく、明確に"選ばれる学校"になるためのブランディングがやはり重要になってくるでしょう。
■この調査のその他の質問
・進学した高校について、卒業後に"良かった"と思うポイント(複数回答)
・親世代の教育方針(単数回答)
・もし高校進学前に戻れる場合、進学する高校を変えたいか(単数回答)
など
■この調査で使用した調査サービスはコチラ
ネットリサーチ:https://neo-m.jp/research-service/netresearch/
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<例>「生活者を中心にしたマーケティング支援事業を提供する株式会社ネオマーケティングが実施した調査結果によると……」
■「ネオマーケティング」
URL:https://neo-m.jp/
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