支出控えのTOP3は「食費」「衣服費」「飲食費」。
30代男性は80%以上が資産運用に前向きな姿勢。
生活者起点のリサーチ&マーケティング支援を行なう株式会社ネオマーケティング(所在地:東京都渋谷区)は2024年4月10日(水)~2024年4月11日(木)の2日間、全国の20歳以上の男女を対象に「マイナス金利」をテーマにインターネットリサーチを実施いたしました。
<調査背景>
日本銀行は、2024年3月19日に開かれた金融政策決定会合において、2016年以来続けてきたマイナス金利政策の解除を決定しました。昨今、歴史的な円安が続いていましたが、このマイナス金利政策解除によって、今後は円高方向に向かうのではないかと予測されています。
そんな中、今回は「マイナス金利政策解除」を軸に、生活者の家計の実態・資産形成の実態について調査しました。是非、今後のマーケティング活動の一資料としてご活用ください。
【調査概要】
調査の方法:株式会社ネオマーケティングが運営するアンケートシステムを利用したWEBアンケート方式で実施
調査の対象:全国の20歳以上の男女のうち、有職者
有効回答数:1,000名
調査実施日:2024年4月10日(水)~2024年4月11日(木)
「マイナス金利に関する調査」主な質問と回答回答
◆家庭で以前より支出が増えた・支出を控えている項目は:支出増・支出控えともに「食費」がトップ。
支出が増えた項目としては「食費」が71.3%で圧倒的なトップとなり、そこに「光熱費」「交通費」が続いた。一方、支出を控えている項目としては、「食費」の次に「衣服費」「飲食費」が続いた。
◆資産運用を行なっているか:資産運用実施率は39.5%。さらに、30代男性は80%以上が資産運用に前向きな姿勢。
全体における資産運用実施率は39.5%に。30代男性は顕在層を含め80%以上が資産運用に前向きな姿勢である様子がうかがえた。
調査データのダウンロードはこちら
はじめに、直近1年程度の物価と賃金について、上昇していると感じるかお聞きしました。
直近1年程度で、物価・賃金の上昇を感じるか(n=1,000)
<前回調査(2023年)>
全体の95.0%が、物価の上昇を感じていました。(「とても上がっていると思う」「まあ上がっていると思う」の合算)
その一方で、75.7%が賃金の上昇を感じていないという結果に。(「あまり上がっていると思わない」「全く上がっていると思わない」の合算)
直近1年程度で急速に上昇する物価に、賃金の上昇が未だ追いついていない状況がうかがえます。
続いて、以前より支出が増えたと思う項目・以前よりも支出を控えている項目をお聞きしました。
家庭で以前より支出が増えた・支出を控えている項目(n=1,000)
支出が増えた項目・支出を控えている項目のどちらも、「食費」がトップに。
支出が増えた項目としては「食費」が71.3%で圧倒的なトップとなり、そこに「光熱費」「交通費」がかなりのポイント差で続いています。
一方、支出を控えている項目としては、「食費」の次に「衣服費」「飲食費」が続きました。
また、支出がそれほど増えていない「娯楽費」「趣味・嗜好品費」も、支出を控えている項目として高く出ています。
支出のインパクトとしては「光熱費」「交通費」が大きいものの、自らコントロールしやすい「衣服費」や「飲食費」を優先して控えたり、「娯楽費」「趣味・嗜好品費」を控えることで、余暇や趣味の取捨選択も進みそうです。
日本銀行は、2024年3月19日に開かれた金融政策決定会合において、2016年以来続けてきたマイナス金利政策の解除を決定しましたが、これについてどの程度知っているかお聞きしました。
日銀のマイナス金利政策の解除について、どの程度知っているか(n=1,000)
実施されることは知っている」層を含めると、認知度は全体の69.8%でした。
「影響まで知っている」割合は21.0%にとどまります。
住宅ローンを組んでいる人だけでなく、生活者全体の家計にかかわる問題でありながら、あまり注目していない人が多いようです。
自宅の住居形態をお聞きしました。
なお以下のグラフは、1個目が「持ち家or賃貸もしくはその他の住居形態か」を示したもの、2個目がその内訳を示したものです。
自宅の住居形態(n=1,000)
全体では、持ち家率が62.5%となりました。
性年代別で結果を比較すると、男女ともに、年代が上がるほど持ち家率も上がっていく傾向が見られます。また、持ち家の内訳を見ると、分譲マンションよりも一戸建てが主流であることがわかります。
前掲した設問【自宅の住居形態】にて、賃貸もしくはその他の住居形態(「賃貸(一戸建て)」「賃貸(マンション)」「賃貸(アパート)」「社宅・給与住宅・官舎・寮」「借家・間借り」「その他」)を選択した人に対し、今後の持ち家購入意向をお聞きしました。
なお以下のグラフは、回答結果を、別設問で聴取した「現在の婚姻状況」別で表示したものです。
今後、持ち家を購入したいと思うか(n=375)
現在賃貸などに住んでいる層でも、全体の28.8%は、持ち家の購入に前向きな姿勢を見せていました。(「とても購入したい」「やや購入したい」の合算)
特にその購入意向は、既婚の場合さらに高まり、38.9%にまで上ります。
マイナス金利政策が解除された状況下でも、やはり持ち家を望む人は一定数いるようです。
前掲した設問【今後、持ち家を購入したいと思うか】にて、今後、持ち家(一戸建て・分譲マンション・新築中古問わず)を購入したいと回答した人(「とても購入したい」「やや購入したい」の合算)に対し、マイナス金利政策の解除を受けての、「持ち家の購入時期」に対する気持ちをお聞きしました。
また全員に対し、今後の金利上昇に対する気持ちをお聞きしました。
なお回答者は、A・Bそれぞれについて、自身の気持ちに近い方を選択しています。
マイナス金利政策の解除を受けての気持ち
日銀のマイナス金利政策の解除を受け、持ち家購入希望者は購入時期を「早めたい」と考える割合が優勢に。また、今後の金利上昇に対しては、全体でも「不安だ」と感じる割合が優勢となりました。(「とてもAに近い」「ややAに近い」の合算)
マイナス金利政策解除によって長期金利・短期金利が上昇すれば、住宅ローン金利も連動して上昇する可能性が高いため、持ち家購入希望者にとっては“購入のタイミング”が、将来的な家計にとって非常に重要になってきます。
今後予想される「追加利上げ」も、持ち家購入希望者にとってはクリティカルな問題であり、焦りを感じている人も多いのかもしれません。
今後、取り組もうと思っている事柄や活動をお聞きしました。
今後取り組もうと思っていること(n=1,000)
全体の結果を見ると、「節約」が57.4%でトップとなり、そこに「貯金(日本円での貯金)」が46.6%で続いています。
この2つは、資産形成の取り組みの中でも、“お金を減らさない”というアプローチのもの。専門的な知識不要で最も手軽にできる取り組みであるため、やはり上位に位置しました。
一方で、“お金を増やす”アプローチである「資産運用」は、「貯金(日本円での貯金)」とわずか4.4ポイント差の42.2%で、上位3項目に位置しています。
結果を性年代別に見ると、「資産運用」は男女ともに約40%〜50%前後であったのに対し、「節約」「貯金(日本円での貯金)」は、男性より女性の取り組み意向の方が高い傾向が見られました。
どの年代においても、10ポイント〜20ポイント、男性より女性の割合が高くなっています。
物価上昇で家計が苦しくなる中、資産運用を視野に入れつつも、ベースは堅実な取り組みをしていこうという意向の人が、女性にはより多いのでしょう。
前掲した設問【今後取り組もうと思っていること】にて、全体の42.2%が取り組む意向を示していた「資産運用」ですが、現在における実施状況を詳しくお聞きしました。
資産運用を行なっているか(n=1,000)
全体における資産運用実施率は39.5%に。
その中でも、30代男性は半数以上が「行っている」と回答。
顕在層・準顕在層(「今後行う予定である」「行っていないが興味がある」)を含めると80%が資産運用に前向きな姿勢である様子がうかがえました。
ほぼ全ての年代において女性よりも男性の方が高くなっていますが、実施率のピークが「30代」という点は、男女ともに共通でした。
自身が保有する資産を預貯金や投資に配分し、増やしていく「資産運用」。
特に“投資”は近年政府でも推奨する動きがあるため、生活者の資産運用の機運も高まっているようです。
資産形成の制度として、近年話題の「新NISA」と「iDeCo(個人型確定拠出年金。以下、iDeCo)」。
どちらも、節税しながら投資ができるとして注目を集めています。そんな2つの利用・実施状況を、それぞれお聞きしました。
新NISAの利用状況・iDeCo(個人型確定拠出年金)の実施状況(n=1,000)
全体の結果を見ると、利用率は新NISAで30.5%、iDeCoで14.7%に。
よく比較されることの多い両制度ですが、現時点における利用率には2倍以上の開きがありました。
一方、顕在層・準顕在層の割合(「今後行う予定である」「行っていないが興味がある」の合算)は、新NISAとiDeCoについてどちらも30%以上(それぞれ38.2%・35.0%)集まっており、利用率の伸びは今後も期待できそうです。
また性年代別で比較すると、前掲した設問【資産運用を行なっているか】の傾向と同様、新NISAとiDeCoのいずれも、多くの年代において女性よりも男性の方がより利用率が高くなっていました。
そんな中、男女差がほとんど見られなかったのが、20代における新NISAの利用状況。
いつでも売却して現金化できるという点で、若い世代にとって安心感のある新NISAは、男女関係なく“はじめての投資”として選ばれることが多いのかもしれません。
■この調査のその他の質問
・今後節約しようと思っているカテゴリ(複数回答)
・資産運用に取り組む理由(複数回答)
・現在の婚姻状況(単数回答)
など
■この調査で使用した調査サービスはコチラ
ネットリサーチ:https://neo-m.jp/research-service/netresearch/
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<例>「生活者を中心にしたマーケティング支援事業を提供する株式会社ネオマーケティングが実施した調査結果によると……」
■「ネオマーケティング」
URL:https://neo-m.jp/
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