メイクをする男性のうち約40%がリップに、約30%がチークに興味あり
メイクをする男性は、しない男性よりもジェンダー関連問題への関心度が約30ポイント高い
生活者起点のリサーチ&マーケティング支援を行なう株式会社ネオマーケティング(所在地:東京都渋谷区)では、世の中の動向をいち早く把握するために、独自で調査を行なっております。今回2021年7月13日(火)~2021年7月16日(金)の4日間、全国の15歳~69歳の男女998人を対象に「メンズメイクの浸透と理解」をテーマにインターネットリサーチを実施いたしました。
近年、メンズコスメ市場はZ世代の若者を中心に、主にアジアでマーケットが広がっています。また、コロナウイルスの影響でリモートワークにてオンライン会議をする機会が増え、以前よりも自分の容姿を意識するようになったことがメンズコスメ浸透の後押しとなっています。
そこで今回は改めて、メイクをする男性の情報収集の実態やモチベーション等を聴取するとともに、社会問題への関心度合いやジェンダー意識との関係性について探りました。是非今後のマーケティング活動の一資料としてご活用ください。
調査の方法:株式会社ネオマーケティングが運営するアンケートサイト「アイリサーチ」のシステムを利用したWEBアンケート方式で実施
調査の対象:アイリサーチ登録モニターのうち、全国の15歳~69歳の男女
有効回答数:998名(メイクをする女性250名、メイクをする男性248名、メイクをしない女性250名、メイクをしない男性250名)
調査実施日:2021年7月13日(火)~2021年7月16日(金)
「メンズメイクの浸透と理解」主な質問と回答
◆挑戦できていないメイク・興味のあるメイク:「挑戦できていないもの」「興味があるもの」共に最も多かったのは口紅・グロス
約40%の方が、口紅やグロスに興味はあるものの挑戦できていないようだ。また、チーク・パウダー系についても、興味はあるものの挑戦できていない方が約30%いることが分かった。
◆今関心を持っている社会問題:「ジェンダー関連の問題」について、メイクをする男性の関心度合いは65.0%
男女共にすべての項目について、メイクをする人の方が社会問題への関心度合いが高くなったが、特に男性の場合はその傾向が強く、「ジェンダー関連の問題」の関心度合いについて、メイクをする男性としない男性で約30ポイントもの差があった。その他の社会問題についても20ポイント前後の差が広がっている。
自分自身の外見に対して普段していることをお聞きしました。上のグラフは、普段メイクをする男性と普段メイクをする女性の回答を比較したものです。
「紫外線対策(日傘、日焼け止め等)」「保湿・スキンケア」といった皮膚のケアをする割合は、メイクをする女性に比べ、メイクをする男性が20ポイント程度低い割合となりました。
しかし一方で、「食事制限」「食事の栄養素管理」「漢方・サプリメント」等、身体を内側からケアする項目の割合は、メイクをする男性の方がメイクをする女性よりも高くなりました。
メイクをする男性は、メイクで外見を整えると同時に、インナーケアによって外見を磨こうという意識が強いのかもしれません。
普段メイクをする男性に対し、メイクに関する情報収集の実態としてあてはまるものをお聞きしました。
全体でみると、約半数の方がインターネット上で情報交換、約30%~40%の方がリアルでの情報交換、約20%の方が企業主催のコミュニティにて情報交換していることが分かりました。
一方、メイクをする男性50代と60代の結果をみると、40%強の方が「店員以外の他人と情報交換はせず、一人でメイクしている」と回答しています。男性メイクについての情報交換、コミュニティに参加する50代や60代の方はまだまだ少なく、個々でメイクをしている方が多いことが分かります。
普段メイクをする男性に対し、現在使用している(使用していた)化粧品・メイク道具についてお聞きしました。
現在使用している化粧品としては男性用が最も多く、その割合は67.3%となりました。一方、女性用化粧品については、過去を含めるとメイクをする男性の半数以上が一度は使用経験があることが分かりました。
普段メイクをする男性に対し、【男性用】化粧品に対する不満、【女性用】化粧品に対する不満をそれぞれお聞きしました。(不満を持つ化粧品が複数ある場合についても、そのすべてについてあてはまるものを聴取)
保湿力については、男性用・女性用化粧品共に、最も不満を抱いているポイントであることが分かりました。特に男性用化粧品については43.1%の方が保湿力の低さに不満を抱いているようです。男性用化粧品では保湿力が足りないため、女性用を使っているケースもあるかもしれません。
また、そもそも「欲しいカテゴリーで男性用が存在しない」ことに対する不満は15.3%あり、ラインナップの少なさに不満を持つ方が少なくないことが分かります。
普段メイクをする男性に対し、自身がしているメイクのうち、「挑戦できていないもの」や、挑戦できていないけれど「興味があるもの」についてあてはまるものをお聞きしました。
「挑戦できていないもの」「興味があるもの」共に最も多かったのが、口紅・グロスでした。約40%の方が、口紅やグロスに興味はあるものの挑戦できていないようです。また、チーク・パウダー系についても、興味はあるものの挑戦できていない方が約30%いることが分かりました。
リップやチークはどちらも血色を補い健康的な印象を作ることができるため、男性にも需要があるものの、色味が強く出やすく調整が難しいためなかなか挑戦しづらいメイクなのかもしれません。
普段メイクをする男性に対し、メイクを始めて良かったこととしてあてはまるものをお聞きしました。「自信がついた・気分が明るくなった」ことが最も高く45.2%、さらに、32.7%の方が「態度・行動が積極的になった」と回答しました。メイクをする男性の30%以上は、メイクをすることで内面にポジティブな変化があったと感じているようです。
また、トップに次いで高い割合となったのが「メイクをする楽しみが増えた」と回答した方で、42.7%となりました。メイクをする多くの男性にとってメイクは、シミやクマ等をカバーするだけの単なる「補正作業」ではなく、趣味のような位置づけにあるのかもしれません。
普段男性がするメイクについて、どう思うかお聞きしました。上のグラフは、回答者全体の結果を示したものです。
男性がメイクをすること自体への賛成度合いは30%強という結果となりました。また、男性メイクの位置づけとしては「身だしなみ」「補正」程度が最も賛成度合いが高く、どちらも40%前後の賛成率でした。男性メイクに関して、「身だしなみ」「補正」この2つのキーワードはより多くの人の理解を得やすいことが分かります。
普段メイクをする男性とメイクをしない男性、普段メイクをする女性とメイクをしない女性の回答をそれぞれ比較すると、全項目について、メイクをしない男性の賛成度合いが最も低いことが分かります。
しかし、メイクをしない男性も女性も、「身だしなみ」程度の男性メイクへの賛成度合いが最も高いことは変わらず、また、メイクをする男性以外の「濃いメイクをすること」「ご自身よりも濃いメイクをすること」への賛成率はいずれも10%前後にとどまりました。
おしゃれを目的とする、もしくは身だしなみの域を超える男性の濃いメイクに対する理解はまだまだであるといえそうです。
普段メイクをしない男性に対し、メイクをしない理由をお聞きしました。
約半数の方が「興味がないから」を理由とする一方で、10.1%の方が「他人の目が気になるから」、25.4%の方が「周りにメイクをしている男性がいないから」を理由に挙げました。
前掲した設問【メイクに関する情報収集の実態】によれば、「店員以外の他人と情報交換はせず、一人でメイクしている」と回答した方は全体で26.0%存在します。この、メイクをしているけれどコミュニティに属していない、また周囲にメイクをしていることを公表していない「一人メイク層」の存在が顕在化すれば、さらに男性メイクは広がっていく可能性がありそうです。
魅力を感じる対象として、あてはまるものをお聞きしました。(ここでいう「魅力を感じる」とは、好印象を持つことを含みます)
全体の傾向としては、より女性的・より男性的な男女に対し魅力を感じる方の割合が高く、どちらも50%前後の票が集まりました。一方で、女性の場合は「中性的」よりも「ボーイッシュ」な女性、男性の場合は「フェミニン」よりも「中性的」な男性に魅力を感じる方が多いという結果となりました。
普段メイクをする男性とメイクをしない男性、普段メイクをする女性とメイクをしない女性の回答をそれぞれ比較すると、男女ともに、普段メイクをする人の方が他人に魅力を感じやすい傾向がありました。特に、メイクをする男性についてはすべての対象に対し約半数以上の方が魅力を感じると回答しています。
メイクをする男性は、相手の性別や見た目の雰囲気に関係なく、誰に対しても魅力を感じることのできる寛容さを持った方が多いのかもしれません。
今関心を持っている社会問題についてお聞きしました。上のグラフは、普段メイクをする男性とメイクをしない男性、普段メイクをする女性とメイクをしない女性の回答をそれぞれ比較したものです。
男女共にすべての項目について、メイクをする人の方が社会問題への関心度合いが高くなりました。特に男性の場合はその傾向が強く、「ジェンダー関連の問題」について、メイクをする男性は65.0%、しない男性は33.6%と、約30ポイントもの差がありました。その他の社会問題についても20ポイント前後の差が広がっています。
上記の社会問題は、SDGsの17の目標(国際連合が定めた持続可能な世界の構築につながる17の目標)にも関連する問題です。メイクをする男女については、SDGsへの積極的な取組みがより期待できそうです。
■この調査のその他の質問
・男女のメイクに対する考え 等
■この調査で使用した調査サービスはコチラ
ネットリサーチ:https://neo-m.jp/research-service/netresearch/
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