最近よく聞く「推し活」とは何か…
その実態について知りたくないですか?
生活者起点のリサーチ&マーケティング支援を行なう株式会社ネオマーケティング(所在地:東京都渋谷区)は、学生のアカデミックリサーチを積極的に支援しています。今回、立教大学の「eビジネス&マーケティング」(担当:大嶋淳俊先生)を受講した学生と、2021年6月21日(月)~2021年6月22日(火)の2日間、全国の13~49歳の男女を対象に「推し活」をテーマにしたインターネットリサーチを共同で実施いたしました。報道の一資料として、ぜひご活用ください。
<調査概要>
調査の方法:株式会社ネオマーケティングが運営するアンケートサイト「アイリサーチ」のシステムを利用したWEBアンケート方式で実施
調査の対象:全国の13~49歳の男女で推しているものがある方を対象に実施
有効回答数:900名
調査実施日:2021年6月21日(月)~2021年6月22日(火)
調査立案者:立教大学 経営学部 3年次1名
「推し活に関するアンケート」 学生M.Y.さんからの感想
◆本企画の参加動機について
自分が興味の持ったことをリサーチのプロの方々と共同プロジェクトで勧められることに非常に魅力を感じたからです。ゼミ活動を通してリサーチの大変さを知っており、普段の仕事でリサーチをしている方々と一緒に活動ができることがめったにない機会だということも理解していたため、絶対に参加したいと思っていました。
◆結果を見ての所感
今回のテーマは推し活に関する実態を調査するというものでした。推し活にかける費用や推し活について話すことに抵抗感を感じる人など、様々な示唆に富んだ調査結果が得られたと思います。推し活に興味がある方やそうでない方でも、何かの参考にしていただけたらうれしいです。
◆調査全体、本企画に参加したことに対する感想など
今回の企画では自分の興味があるテーマについて、ネオマーケティング様のお力添えをいただいて学生ではなかなか挑戦できない母数の調査をすることができました。この貴重な機会に参加させていただけたことは学生生活の中でも非常に良い経験になったと思います。
まずは、推しているものについてお聞きしました。性年代問わず1位は「実在の人物」となっていますが、性年代ごとに推しているものの傾向は異なっています。
男性10/20代は他性年代に比べて「キャラクター」の割合が高く、男性30代は他性年代に比べて「人物以外のモノ」の割合が高くなっています。
また他性年代と比べて、女性10/20代は「実在の人物」が7割以上と高く、「人物以外のモノ」は2割以下と低い傾向にあります。
【学生コメント】
私自身の経験から、男性は大人になっても漫画やアニメのキャラクターを好きでい続ける人が多く、女性は大人になるとそういったキャラクターではなくアイドルや化粧品といったものに関心が移っていく傾向があると思っています。今回の調査結果はその裏付けになるような結果が出たと感じています。女性はどの年代でも男性より実在の人物を推している傾向があるようです。
続いて、推しているものについて、行なったことがある活動・行動をお聞きしました。女性10/20代は「グッズを買う」が6割以上、「推しと同じものを身に着ける」「公式ファンクラブ等に入会する」も他性年代に比べ高い結果となりました。これは前問の回答より、「実在の人物」を推している方が多いことが理由になっていると考えられます。
男性30代の「公式ファンクラブ等に入会する」が約1割と低い結果である理由も、「人物以外のモノ」を推している方が多いことが挙げられます。
【学生コメント】
「イベントに参加する」の割合が男女ともに年代が高くなるほど低くなっています。これは体力的な問題と、子供を持つなどの家庭環境の変化、仕事の多忙化、羞恥心など様々な要因が考えられ、より詳細な調査をしたくなる結果になっていると考えられます。
また、現在はSNSによる情報発信が10代/20代が最も高いですが、今の10代/20代が40代になるころはSNS発信は全世代的に広がっていくのではないかと考えられます。
どの程度の期間、今推しているものにはまっている・応援しているかお聞きしました。1年以上推していると回答した方は8割弱で、3年以上推していると回答した方は6割という結果となりました。一つの推しに対して、はまる期間・応援する期間はある程度続くと考えられます。
【学生コメント】
私自身も「機動戦士ガンダムシリーズ」を推し続けて早十余年ですので、推し活が長く続く方が多いのはよくわかります。今回のアンケートで一年以内と答えてくださった方は、その推し活が今後も長く続くように祈るばかりです。
推しに対して、月に平均どの程度費用を使っているかお聞きしました。月に5000円未満が最も多く、月5万円未満と回答した方は7割弱でした。また、性年代問わず「お金は使わない」という方が2割以上で、5人に1人は推しだという認識があっても費用をかけないようです。推し活の定義や、推し活に対する考えは、人それぞれ異なっているようです。
【学生コメント】
お金を使うだけが推し活ではないということが良くわかる結果となったと思います。人間同士の恋愛はどうしてもお金が必要になりますが、推し活に対して愛を持った時は、お金を必ずしもかけるわけではない。この結果は推し活の始めやすさを人々に認知させるよいデータになるのではないかと思います。
推し活を始めたきっかけについてお聞きしました。女性10/20代は「SNSで見たから」が最も多く、他性年代のSNSがきっかけとなった割合に比べると、特に多い結果となりました。SNSが主要な情報メディアとして力を発揮していることがうかがえます。
【学生コメント】
SNSはブームの火付け役やイラストレーターの輩出など、年々その影響力を強めていると考えられます。そこでは推しの魅力を発信して「布教活動」のようなモノを展開する人もいらっしゃいます。今後もSNSやテレビによって推しを持つ人が増えていくのではないかと思います。
また、テレビやSNSをはじめ友人や家族に勧められたなど、受動的な理由が多いこともおもしろい特徴だと感じます。CM広告やインフルエンサーを有効活用すると面白い施策が作れそうです。
推しの話題を推し活をしていない方たちと話すことに対して抵抗感があるかお聞きし、「抵抗がある」「やや抵抗がある」と回答した数値をグラフにしています。「母親」「父親」「祖父母」は2割を超えており、親族への抵抗感が強いようです。
【学生コメント】
親は推し活に対して理解をしてくれないのではないかというイメージを持たれてしまっていることをよく示しているデータだと感じました。推し活は新しい時代の生き方の一つですので、様々な方に理解を持ってもらえるようになってほしいです。しかし、借金をしてまで推し活をするといった「やりすぎ」を止めてくれるのもまた親族です。理解した上で適度なストッパーになることが、理想なのではないかと個人的に感じました。
推しの話題を人と話すことに抵抗がある理由をお聞きしました。性年代問わず、「相手が興味を持ってなさそうだから」が圧倒的に多い結果となりました。男性10/20代は他性年代に比べ「オタクと思われるのがいやだから」が多く、前問で「キャラクター」を推している方が多かったことも要因といえるでしょう。30代は性別にかかわらず「一人で推し活を楽しんでいればそれで満足だから」という回答が多く、黙々と没頭する様子がうかがえます。
女性10/20代は「自分の価値観を他人に押し付けるみたいでいやだから」という回答が、他性年代と比べ高い結果となりました。
【学生コメント】
推し活をする人の中にある葛藤がうかがえます。自分の推しに興味を持っていない相手に推しの魅力を理解してもらいたいと思っても、それは価値観の押し付けで嫌がられてしまうのではないかという考えも頭をよぎります。バランスよく適度に「推しについて語る」べきなのかなと感じました。
推し活をする中で感じているメリットをお聞きしました。「人生が豊かになった」「人生に充足感を感じるようになった」と、人生に良い影響があると感じている方が多いようです。
【学生コメント】
昭和と平成までは「貯蓄があり、持ち家があり、家族を持つことが幸せ」といった方程式のようなものがあり、その状態を実現することが目標だという人が多かったと思います。しかし、推し活で人生が豊かになったと感じることができるなら、推し活を主軸にした生活もライフスタイルの一つとしてよいのではないかと思います。
自分の推しをほかの人にも勧めたいと思うかお聞きしました。男性は年代が上がるにつれ勧めたいと思う傾向にあり、一方女性は、年代が上がるほど勧めたくないと思う傾向にあるようです。
【学生コメント】
非常に興味深い結果です。男性と女性の価値観の違いが反映されているのでしょうか。推し活の枠を超えて「男女による他者への推奨度の違いについて」という研究ができそうな示唆を与えてくれるものとなりました。
自分の推しをほかの人に勧めたい理由についてお聞きしました。男性は年代が上がるにつれて「自分の推しを語りたいから」という欲求が弱まるようです。その代わり、「自分の推しをもっと応援したいから」「自分の推しを堂々と応援できるようになりたいから」等の気持ちがあり、年代が上がるにつれて勧めたくなると考えられます。
一方女性は、年代が上がるにつれて「共通の趣味を持った人を作りたいから」「自分の推しを語りたいから」という推しについて共有したいという欲求が弱まり、勧めたいという気持ちも下がるようです。
【学生コメント】
男女問わずに「共通の趣味を持った人を作りたいから」という欲求がどの年代でも高いことに驚きました。現在のコロナ禍で人との交流が制限されているので、この欲求を満たすことは難しいと思いますが、アフターコロナになってからぜひ自分の推し活コミュニティを広げていってほしいと思いました。
■この調査のその他の質問
・推し活を始めた年齢
・推し活に対して注意してきた人
・注意を受けたあとの推し活に対する考えや行動の変化
■この調査で使用した調査サービスはコチラ
ネットリサーチ:https://neo-m.jp/research-service/netresearch/
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<例>「生活者を中心にしたマーケティング支援事業を提供する株式会社ネオマーケティングが実施した調査結果によると……」
■「ネオマーケティング」
URL:https://neo-m.jp/
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