成長市場として注目され、転職先としても人気の高いIT業界。
一方で、「IT業界に転職したいけれど、未経験でも本当に大丈夫なのか」「第二新卒でIT業界を目指したいが、何から始めればいいのか分からない」といった不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
IT業界は将来性が高く、未経験から挑戦できる職種が多い反面、業界構造が分かりづらく、企業選びを誤ると入社後にミスマッチが起きやすいという側面もあります。
そこで本記事では、IT業界の全体像や転職市場のリアルを解説するとともに、未経験者・若手に向いている職種や、IT業界に強い転職エージェントの選び方までを網羅的にご紹介します。
IT業界でのキャリアを考えるうえで、本記事が最初の一歩となれば幸いです。
IT業界とは、Information Technology(情報技術)を活用したサービスを展開する企業の総称です。
一口に「IT業界」といっても事業内容や業種は非常に幅広く、選ぶ分野によって働き方や求められるスキル、社会への貢献の仕方は大きく異なります。
ここでは、代表的なIT業界の分類を簡単に紹介します。
■ソフトウェア業界
パソコンやスマホを動かすOSから、アプリケーション、業務システム、SaaS、ゲームなど、コンピューター上で動作するプログラム(ソフトウェア)を開発・提供する業界です。
プログラマーやシステムエンジニア、営業、マーケティングなど、様々な職種が活躍しています。
例:NTTデータ、富士通、NEC、サイボウズなど
■ハードウェア業界
パソコン、パソコン周辺機器、サーバー、半導体など、IT機器そのものを開発・製造する業界です。
モノづくりに関わりたい人や、機械・電気系の知識を活かしたい人に向いています。
例:ソニー、パナソニック、日立製作所、東芝など
■情報処理サービス(SI)業界
業務上の課題を持つ企業や官公庁向けに、システム開発~運用まで請け負う業界です。
SIer(エスアイヤー)とも呼ばれます。クライアント企業ごとにカスタマイズしたものを開発するため、大規模なシステムに1から携わる機会が多く、チームワークを基本としています。
IT業界の基礎を幅広く学べる点が魅力です。
例:
大手SIer(NTTデータ、NEC、富士通)
独立系SIer(TIS、SCSK、オービック)
■通信インフラ業界
携帯電話やインターネット回線など、通信ネットワークを支える業界です。
生活者の生活や企業の通信を支える社会インフラとしての役割を持つため安定性が高く、長く働きたい人にも向いています。
例:
大手キャリア(NTTドコモ、SoftBank)
通信機器メーカー(NEC、富士通)など
■インターネット・Web系
Webサービスやアプリ、ECサイト、Web広告などを手がける業界です。
流行の変化や業務にスピード感があり、若手のうちから裁量を持って働ける環境が多いのが特徴です。
例:
Google、Yahoo!、Amazon、メルカリ、サイバーエージェントなど
このように、IT業界にはさまざまな事業分野があり、「どの分野を目指すか」によってキャリアの方向性は大きく変わります。そのため、IT業界への転職を考える際は、「とりあえずIT」といった曖昧な動機ではなく、業界の構造を理解したうえで、自分がどの分野を目指すのかを明確にすることが大切です。
どのような仕事をしたいのか、どのような働き方を望むのかを整理しながら、自分に合った分野を選びましょう。
専門知識が求められそうで、難しいイメージを持たれがちなIT業界。
実際のところ、転職の難易度はどの程度なのでしょうか。
結論から言うと、未経験からでもIT業界への転職は十分可能です。
その理由は、大きく分けて次の3つが挙げられます。
① IT人材の慢性的な不足
② 若手層を中心としたポテンシャル採用の活発化
③ 研修・教育を前提とした企業の増加
IT業界は、インターネットの普及からまだ30年ほどしか経っておらず、今後も成長が見込まれる分野です。
その一方で、業界の拡大スピードに人材供給が追いついておらず、IT人材の不足は国や企業にとって大きな課題となっています。そのため、近年では教育制度を整え、未経験者を育成する前提で採用を行う企業も増えてきました。
特に若年層や第二新卒は、吸収力や柔軟性が高いと評価されやすい傾向にあります。
育成次第で長期的に活躍できる人材になる可能性があるため、最低限の社会人経験やビジネスマナーが身についていれば、IT業界未経験であっても採用されるケースは少なくありません。
ただし、「未経験OK」という言葉だけで企業を選んでしまうと、入社後に「思っていた仕事内容と違った」「十分な教育が受けられなかった」といったミスマッチが起こる可能性もあります。
そのため、IT業界の転職市場や企業ごとの実情を正しく理解したうえで、転職先を選ぶことが何より重要です。
ここからは具体的に、IT業界で活躍する職種と必要スキルを見ていきます。
どの道に進みたいかを整理する際の参考に、ご覧ください。
■システムエンジニア(SE)
システムの設計・開発・テストなどを担当する職種です。
ある程度のプログラミングスキルや経験があったほうが転職に有利ですが、システム全体の設計・管理(上流工程)が中心で実務に対応しない場合もあり、また未経験向けの研修制度が整っている企業も存在します。
会社によっては客先常駐や打ち合わせもある職種で、人と話すのが好きで、全体を考えるのが得意な方などは向いている傾向があります。
求められるもの:論理的思考力、学習意欲
向いている人:全体設計が得意、人と話すことに抵抗がない
■Webエンジニア
Webサイトやアプリの開発を行います。
実際のユーザーや顧客が使うサービスを実際に制作する職種で、SEよりもものづくり寄りです。
自社開発やリモートワークも可能な環境が多く、地道に物事に取り組める方、自分の作ったものを多くの人に使ってほしいという意欲のある方に向く職種です。
求められるもの:プログラミング基礎スキル
向いている人:ものづくりが好きな方、作業や制作にコツコツ取り組める方
未経験可の求人はありますが、最低限の事前学習があると有利です。
■IT営業
自社のITサービスやシステムを提案営業する仕事です。
単に商品を売るだけでなく、顧客の課題解決のために何を提供すればどう変わるのか?
コンサルティング要素も含みながら、自社の利益アップに貢献します。
技術職でなくてもIT業界に関われる職種ですが、自社のエンジニアと顧客の橋渡しとなるため、専門知識も求められます。
求められるもの:提案力、ヒアリング力
向いている人:人と話すのが好きな人
■ITサポート・ヘルプデスク
社内外から寄せられるIT(情報技術)に関する問い合わせやトラブルに対応し、専門的な知識で解決を支援する窓口業務です。パソコン、ソフトウェア、ネットワークなどの使い方や設定、障害対応など多岐にわたり、ユーザーが円滑にIT機器やシステムを利用できるようサポートします。
未経験からスタートしやすく、IT業界の入り口として人気があります。
求められるもの:コミュニケーション力
向いている人:人の役に立つ仕事がしたい人
IT業界が未経験の場合、最初から「理想の職種」にこだわりすぎないことが大切です。
まずは業界に入り、経験を重ねながら理想の職種やキャリアを目指す道もあります。
条件を絞りすぎず、選択肢を広く持って検討してみましょう。
未経験者におすすめのスタート地点は、以下のとおりです。
✓ITサポート・ヘルプデスクなど、基礎を学びながら実務経験を積める職種
✓これまでの経験を活かせる職種(営業経験があれば、IT系のコンサル営業や営業サポートなど)
✓スクールなどを活用して学習からスタートする(エンジニアやWebマーケティングなど、専門的な知識・スキルが必要な職種)
未経験からIT業界を目指す場合、大きく分けて2つの進み方があります。
1つ目は、まずIT業界に入り、経験を積みながらスキルを伸ばし、段階的にキャリアアップしていく方法。
2つ目は、目指す職種に関連する勉強を先に始め、スキルを身につけたうえで転職成功率を高める方法です。
特に20代は、ポテンシャル採用として経験ゼロでもチャンスがある一方、IT業界は人気が高く、志望者が多いのも事実です。その中で採用される確率を高めるには、これまでの経験を活かした職種を選ぶ、もしくはスキルアップなど「今できること」から始めて、意欲や成長姿勢をアピールすることが重要です。
希望する職種やキャリアが明確にあっても、まったく未着手の状態では、企業側にとって採用リスクが高くなってしまいます。まずはIT業界に入ることを目標にするか、学習からスタートするか。自分に合った方法で、一歩目を踏み出しましょう。
未経験からIT業界への転職を成功させるには、やみくもに応募するのではなく、いくつかのポイントを押さえて準備することが大切です。ここでは、未経験者が意識しておきたい5つのポイントを紹介します。
①IT業界の構造を理解する
一口にIT業界といっても、システム開発、インフラ、Webサービス、受託開発、自社サービスなど、分野やビジネスモデルはさまざまです。さらに、SIer、事業会社、SESなど企業の立ち位置によって働き方や求められる役割も異なります。
業界全体の構造を理解しておくことで、「思っていた仕事と違った」というミスマッチを防ぎやすくなり、自分に合った会社や職種を選びやすくなります。
②職種選びとキャリアプランを明確に
未経験の場合は特に、最初から理想の職種に就けるとは限りませんので、「将来的にどうなりたいか」を考えておくことは重要です。エンジニア、ITサポート、営業、Webマーケティングなど、職種ごとに身につくスキルやキャリアの広がり方は異なります。
まずは入口となる職種を決めたうえで、数年後のキャリアイメージを持っておくと、転職理由や志望動機にも一貫性が出ます。
③ポテンシャルを明確に示す
未経験者や若手の採用では、スキルや実績以上に「ポテンシャル」が重視されるケースも多くあります。
これまでの仕事や経験の中で、IT業界でも活かせる強み(課題解決力、継続力、コミュニケーション力、学習意欲など)を言語化して、選考の中できちんと伝えられることが大切です。
「なぜIT業界なのか」「なぜこの職種なのか」を自分の経験と結びつけて説明したうえで、「その会社でどう活躍できるのか」まで話せると、説得力が高まります。
④学び続ける姿勢を大切に
IT業界では、入社後も学び続ける姿勢が欠かせません。
未経験からの転職であっても、独学で構わないので最低限の勉強や実績作りをしておくことが重要です。
プログラミング学習、ITの基礎知識、簡単な成果物の作成など、「すでに行動している」ことが評価につながります。
勉強を始めているだけでも、本気度や成長意欲をアピールできます。
⑤未経験歓迎の求人や教育制度が整っている会社を選ぶ
未経験からIT業界に挑戦する場合、入社後の教育体制やサポート環境は非常に重要です。
「未経験歓迎」と明記されている求人や、研修制度・OJTが整っている会社を選ぶことで、入社後にスムーズにスキルを身につけやすくなります。
仕事内容だけでなく、育成方針やキャリア支援の有無にも目を向けて企業選びを行いましょう。
前述した転職成功のポイントを押さえるうえで、転職エージェントを活用するのも有効な方法のひとつです。
転職エージェントとは、キャリアアドバイザーが担当として付き、希望条件のヒアリングから求人紹介、応募手続き、書類添削、面接対策までを一貫してサポートしてくれるサービスです。
特に、未経験からIT業界を目指す場合は、転職エージェントを利用するメリットが大きくなります。
✓業界の構造や職種について、基礎から丁寧にサポートしてもらえる
✓これまでの経験を踏まえた、現実的な職種選びやキャリア設計を相談できる
✓未経験歓迎の非公開求人を紹介してもらえる可能性がある
✓履歴書・職務経歴書の添削や面接対策が手厚い
未経験者や第二新卒の場合、「一人で判断しないこと」が転職で失敗しないための大きなポイントになります。
近年はIT業界や専門職に特化した転職エージェントも増えているため、複数のエージェントに相談し、自分に合ったサポートを受けるのがおすすめです。
ここからはIT業界に強く、第二新卒や未経験者向けのサポートが充実している転職支援サービスをご紹介します。いずれも無料で利用できる上、IT業界未経験者の心強い味方になってくれますので、自身に合ったサービスへの登録をおすすめします。
①entrys navi(エントリーズナビ)
IT(インターネット系サービスやSaaSなど)・広告・PR分野を中心に、求職者と企業をつなぐサービスとして2026年にスタートしました。
リサーチやマーケティング支援の分野で実績を持つ株式会社ネオマーケティングをグループ会社に持つため、新しいサービスでありながら、これまでに培ってきたネットワークや知見を活かした求人紹介が可能です。
また、どの業界・業種に就いたとしても必要とされるマーケティング思考を無料で学びながら転職活動ができるため、IT業界を目指している方にもおすすめのサービスになります。
運営会社:株式会社ネオパートナーズ
URL:https://en-trys.com/
対象地域:首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)
対象年齢:20代が中心
②ユニゾンキャリア
ユニゾンキャリアは、未経験からIT・Webエンジニアを目指す人向けに特化した転職サービスです。
未経験者・初心者への手厚いサポートを強みとしており、IT業界の基礎理解から書類添削、面接対策まで丁寧に対応してくれます。
2021年創業と比較的新しいサービスのため、地方求人が少ない点はデメリットですが、首都圏では大手企業からメガベンチャーまで、幅広い求人を取り扱っています。
運営会社:株式会社ユニゾン・テクノロジー
URL:https://unison-career.jp/
対象地域:首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)、関西(大阪)中心
対象年齢:20代中心
③レバテックキャリア
レバテックキャリアは、エンジニアやクリエイター職に特化した転職エージェントです。
専門性の高いキャリアアドバイザーが在籍しており、これまでの経験やスキルをもとに強みの整理からサポートしてくれます。
企業ごとの書類添削・面接対策が手厚い点に加え、実際に企業へ足を運び、社風や現場の課題、マネジメント体制まで把握しているのも特徴です。求人票だけでは分からない情報も共有してもらえるため、ミスマッチを防ぎやすく、安心して転職活動を進められます。
運営会社:レバテック株式会社
URL:https://career.levtech.jp/lp/309ba/
対象地域:全国(首都圏、関西、東海、九州が豊富)
対象年齢:20~30代が多く8割(20代が約5割、30代が約3割)
④Green
Greenは、若手のIT・Web系人材に強みを持つ転職サービスです。
転職エージェントとは異なり、転職サイト型のサービスのため、求職者と企業がGreen上で直接やり取りでき、応募から選考までスムーズに進められます。
エンジニア職だけでなく、営業やマーケティングなど幅広い職種を扱っているため、職種や働き方を限定せず、柔軟に検討したい方にも向いています。
運営会社:株式会社アトラエ
URL:https://www.green-japan.com/
対象地域:全国
対象年齢:20~30代中心
⑤マイナビジョブ20’s
取り扱い業界はITに限りませんが、大手人材会社のネットワークを活かし、豊富な求人を保有しています。
IT企業やIT人材向けの求人も増えており、キャリアの方向性が定まっていない段階からでも相談可能です。
キャリアアドバイザーが丁寧に向き合い、内定までしっかりサポートしてくれるため、転職が初めての20代にも心強いサービスといえます。
運営会社:株式会社マイナビ
URL:https://mynavi-job20s.jp/b
対象地域:全国
対象年齢:20代
IT業界は未経験・第二新卒でも十分にチャンスのある業界です。
ただし、業界の構造を理解せずに転職活動を行うと、ミスマッチが起きやすいのも事実。
だからこそ、下準備が必要です。
IT業界の全体像を理解し、自分に合った職種や希望のキャリアを整理する。
この過程で迷ったら、ぜひ転職エージェントに相談してみましょう。