自論

「BtoBマーケティングの民主化」に取り組む覚悟。|加藤 賢大|自論

作成者: 株式会社ネオマーケティング|May 23, 2024 7:50:00 AM

はじめに

ネオマーケティングで活躍するスペシャリストの「現在地とこれから」を紹介するシリーズ。今回は、加藤 賢大さんに話を聞きました。
加藤さんは、これまでBtoCのクライアントが中心だったネオマーケティングの事業領域を、BtoBまで広げることをミッションに活動されています。今取り組んでいることや、目指していること、どのような思いで新規事業開発に取り組んでいるのか、お話を聞きました。

 

自らの成功体験をお客様に届けたい。

 

――はじめに、加藤さんが今取り組んでいることを詳しく聞かせてください。


主に、新規事業である「BtoBマーケティングのコンサルティングサービス」について事業全般を担当しています。併せて、自社のオウンドメディア「マーケのカチスジ」の立ち上げ・運営にも取り組んでいます。
皆様のおかげで、ネオマーケティングはコロナ禍において売上2倍を実現することができましたが、これはBtoB会社である弊社のマーケティング活動が貢献していると強く感じています。この経験や知見を体系化することで、BtoBマーケティングを強化したい企業の成長をご支援できるのではないか、と考えたことが始まりです。

 


――取り組まれていることについて、順番に詳しく伺っていこうと思います。BtoB マーケティングではどのようなご相談を受けることが多いでしょうか。


本当に幅広いご相談をいただきます。たとえば、
「自分が立てた事業戦略が、正しいかどうかわからないので見てほしい」
「KPIの立て方がわからない。どういった根拠で設定すればいいのか」
「営業部門とマーケティング部門の連携がうまくいかない」
「やりたいことはたくさんあるが、人手が足りない」
「これまでは社長である自分が戦略を立ててきたが、後に続くマネージャー・事業部長クラスにも事業戦略を立てられるよう、体系的に教えてほしい」
といったお話が多いですね。

こういったご相談からスタートして、事業戦略・戦術の検討、施策の立案・実行・代行などをやっています。施策面はBtoBで必要なすべてに対応しています。
オンラインの側面では、Webサイトやブログ、ホワイトペーパーの作成、ウェビナーやカンファレンスの企画・代行、デジタル広告、インフルエンサーマーケティング、PR(パブリックリレーションズ)、MA・SFA・CRMの導入支援などをしています。
オフラインの側面では、ターゲットリスト収集、DM、展示会集客、パートナーセールス開拓などをやります。

 


――加藤さんが取り組んでいる「マーケのカチスジ」はBtoB向けのオウンドメディアですね。なぜ取り組もうと思ったのでしょうか。


自ら実践して得た成功体験をお客様に届けたいと思ったからです。
BtoB企業にとってオウンドメディアの運営は重要な施策の1つですが、内製化でも外部委託でもそれなりのコストがかかります。外部からコンサルティングを受けるにあたり、当然ながら実績を見るでしょう。ネオマーケティングが自ら実践して得た成功体験であれば、納得感をもって受け入れていただけるでしょうし、私としても自信をもって細部までお手伝いすることができます。

 

必要なのは「BtoBマーケティングの民主化」。

 

――お客様に喜んでいただけていると実感しているサービスの具体例を紹介していただけますか。


「ワークショップ」と「ウェビナー」を紹介したいと思います。

お客様と話していて本当に多いと感じるのは、体系的なインプットの重要性です。BtoBマーケティングの考え方や事業戦略の作り方を体系的に学んだことがない中で、手探りの状態から、事業戦略に向き合わざるを得ない状況に置かれる方が多いのです。
そこでマネージャークラス向けのワークショップを実施したところ、参加者や社長さんから「事業戦略や戦術立案、KPI設定について、もやっとしていたものが腹落ちしました」といった感想をいただくことができました。

ウェビナーはとくに引き合いが多いですね。比較的低コストでリードが獲得できるため、BtoB業界ではトレンドになっています。しかし集客が課題で、単独で十分な参加者を集められない場合は複数社による共催・カンファレンス形式を提案しています。ネオマーケティングが企画と事務局を担うのですが、ご好評をいただいています。

――お話を聞いていくと、加藤さんの仕事の本質は「マーケティングのチカラ」を企業の中に知らしめていく点にあると感じました。


 

実は私が取り組むBtoBマーケティングには、コンセプトがあるんです。それが「BtoBマーケティングの民主化」です。

これまで本当のマーケティングに取り組んでこなかった会社では、営業部門が強い傾向にあり、マーケティング部門の仕事の成果が過小評価されている傾向にあると感じています。「BtoBの企業におけるマーケターのポジションが、必要以上に低い」という現象が起きているのです。
決して営業部門が悪いといっているわけではありません。「BtoBマーケティングをしっかりやれば、会社の成長に対してこれだけ成果が出せるんだ」という実感がないために、マーケターと営業部門が連携する下地ができていないのです。

だからこそ、マーケターが本来やるべき業務に取り組める環境を提供し、営業など他部署の誰から見てもわかるような成果を残すことが重要であると思います。それはつまり、社内にマーケティングのチカラがどれほどのものか知れ渡ることであり、そうすれば、全員が自分なりにマーケティングを考えるようになるでしょう。それが私の考える「BtoBマーケティングの民主化」です。

 

新規事業には、リスクを受け入れる覚悟が必要。

 

――新規事業開発に取り組む理由を教えてください。


いちばんは「おもしろい」ですね。
既存事業を伸ばしていくような1を10にしていく仕事にも面白さがあります。多くの方はこの部分に取り組んでいるはずです。しかし0を1にする仕事には別の面白さがある、ということです。

たとえば「マーケのカチスジ」を運用する中で、あらためて「テーマ選定」の重要性を実感しました。設定したテーマの違いによって、コンテンツごとのPVやセッションに如実な差が出ています。
一方で、同じテーマの中では書き手による差があまり出ないことがわかりました。実はAIによるコンテンツの自動制作を試行しています。同じテーマのもとで人が制作したコンテンツと比較したところ、明確な差はいまのところ出ていません。つまり、読み手のニーズに合致するコンテンツであるかどうか、といった初期設定が非常に重要だということです。
今は、AIが制作したコンテンツを人が監修して、独自性の高いコンテンツにする取り組みをしています。こういった経験は、新規事業開発だからこそ得られるものでしょう。

 


――難しい質問かもしれませんが、失敗したときのリスクはどう考えていますか。


本当に難しい質問ですね。

大前提として、世の中が変化する限りどのような会社でも新規事業開発などの変化対応は必要だと考えています。
既存事業だけでは頭打ちで、大きな成長をたたき出すことが難しいとわかっているのであれば、新規事業に取り組むことが有効な打ち手になるケースは多々あるでしょう。既存事業だけでは1.1倍の伸び率しか得られないものが、新規事業があることで1.2、1.3倍になる可能性が生まれます。

とはいえ、失敗するリスクは常にはらんでいるため、それを回避するために二の矢三の矢を常に放ち続けることは意識しています。そこまでやって、それでも失敗してしまうことはあります。リスクを受け入れる覚悟がある人でなければやっていけない仕事だと考えています。

ネオマーケティングでも、新規事業開発がマイナーな時期がありました。しかし誰も新規事業に取り組んでいない状態では、新しい事業やサービスのアイデアすら提案しにくい雰囲気になってしまいます。それは企業の成長にとっても足かせになってしまうのではと危機感を持っています。それならば、まずは自分が先陣を切ろうと決めました。大げさかもしれませんが、私を見て若手が2番目、3番目と続いていってくれたらこれ以上嬉しいことはないですね。

さいごにひと言。「頼ってほしい」

 

私としては、ぜひ頼っていただきたい。

私たちのような事業者に委託するとお金がかかります。しかし、その金額は「高い」のでしょうか。一般的なマーケター1人を雇用するのに、800万円から1,000万円かかるといわれています。しかし仮に、外部委託すれば400万円程度で済み、さらにスピードも速いとすればどうでしょう。

経営者やマーケターの中には、外部に頼ることに抵抗を感じる方もいると思います。たしかに社内の少数精鋭でも結果は出せると思いますが、大切なのは事業開発のスピードです。
最近は、内製化によるノウハウ構築よりも、PDCAの回転力を速める方が成果を出しやすいと考える企業が多数派になってきています。その流れを捉えたうえで、何を優先すべきか考えていただきたいと思います。
社内理解が十分でない条件下で、マーケターが本来の力を発揮できる環境を整備するためには、結局のところ「いかに早く結果を出せるか」が大切で、私としてはそこをしっかりお手伝いしていきたいです。ます。

 

プロフィール

新規事業開発室 責任者
加藤 賢大

マーケティングリサーチャ―としてキャリアをスタートし、BtoB、BtoCかかわらず戦略立案や施策実行を支援。自社マーケティングにおいても、戦略提案や業務提携、ウェビナー登壇やコラム執筆などを担当。その後、自社D2Cのブランドマネージャーを経て、現在は新規事業開発室の責任者としてクライアントのBtoBマーケに伴走。