自論

コンテンツマーケティングで「お客様の先の消費者」へ幸せを届ける。|北澤あゆみ|自論

作成者: 株式会社ネオマーケティング|May 20, 2024 7:32:00 AM

はじめに

ネオマーケティングで活躍するスペシャリストの、「現在地とこれから」を紹介するシリーズ。今回は、コンテンツマーケティングチームの責任者である北澤あゆみさんに話を聞きました。

 

SEOがうまくいかないコンテンツには、共通の理由がある。

 

――北澤さんの「現在地」についてうかがいます。いま取り組んでいることを紹介していただけますか。


コンテンツマーケティングの責任者をやっています。

具体的にはSEOを踏まえた記事制作です。検索上位を獲得したいお客様や流入を増やしたいお客様、リードを増やしたいお客様向けに、Webサイト内の記事を蓄積させていく取り組みをしています。あわせて、薬機法や景表法などのリーガルチェックの支援をしています。薬機法や景品表示法に加え、医療広告ガイドライン、健康増進法、特商法など、弁護士法第72条に関わらない範囲でチェックしています。

 


――お客様からのご相談として、どのようなものが多いのでしょうか。


「自社で記事を書いているものの、思うような結果が出せていない」といったご相談が多いですね。

具体的には、

「SEO上位を獲得したい」
「もっと消費者の目に触れさせたい」
「たくさん記事は書いてきたのに、狙ったキーワードで全然上位に上がらない」
「記事を書くキャパが足りない」

といったものが多いと思います。

 


――SEOでうまくいかないのは、何が理由なのでしょうか。これまでの経験からわかることがあれば教えてください。


うまくいかないコンテンツには、いくつか共通の理由があります。

1つ目は、言いたいことだけを発信していること。ユーザーが知りたいことを認識できていないか、認識できていても記事に盛り込まれていないことがあります。

2つ目は、情報が足りないこと。検索上位に上がっている記事と比べて情報量が少なかったり、ありきたりなことしか書かれていなかったりします。

3つ目は、読みにくいこと。要は日本語の問題です。読んでみると意味がわからない文章が出てきて読み返してしまったり、句読点や“てにをは”に問題があったりします。

4つ目は、権威性や専門性に欠けること。自社の得意分野を発信しているにもかかわらず、ターゲットとしたい人だけではない、幅広く万人受けを意識しすぎて一般的な内容をメインに発信してしまっていることがあったります。

お客様からご相談をいただいたら、こういったポイントを踏まえて現状をチェックし、新規のコンテンツ制作やリライトのご提案をしています。

 

「課題解決とアクション」につなげるのがコンテンツマーケティング。

 

――よくデジタルマーケティングと比較されると思いますが、違いは何でしょうか。


デジタルマーケティングの定義は幅広いので、Web広告に置き換えて話したいと思います。そのうえで、3つ違いがあります。

1つ目は、ユーザーがコンテンツに触れるときの姿勢です。
Web広告の場合は、意図せず目に入ってくるため、受動的な姿勢でコンテンツに触れます。一方コンテンツマーケティングは、ユーザーが検索してたどり着くので、能動的な姿勢です。ユーザーの「この情報がほしい!」というニーズを満たせるクオリティが求められます。

2つ目は、コンテンツが目指す着地点です。
Web広告は比較的インパクトを重視します。コンテンツがターゲットの目を引くか、心に刺さるか、その結果としてクリックされるかが重要になってきます。一方でコンテンツマーケティングは、ユーザーの課題解決と次なるアクションを重視します。ユーザーの情緒に寄り添いつつ、動きたくなるような説得力が必要です。

3つ目は、成果が出るまでの時間です。
Web広告は出稿してから結果が出るまでの時間が短く、早い段階で効果が出やすい手法です。一方でコンテンツマーケティングは時間がかかります。記事制作から始めて、記事の効果を判断するまでに、3~6カ月はかかります。

 


――コンテンツマーケティングは時間や労力がかかる手法だと思います。取り組む価値や魅力はどこにあると思いますか。


ユーザーの必要性を喚起し、次のアクションにつなげられることだと思います。

ユーザーニーズに合致している記事がたくさんあれば、「もっと読み進めたい」「この記事も読んでみたい」となり、ユーザー自身も気づいていなかった必要性に気づきます。その結果、お問い合わせやホワイトペーパーのダウンロードなど、次のアクションにつながります。効果を発揮するのに時間はかかりますが、一度効果を発揮し始めれば、長く続くのです。
薬に例えると、Web広告は西洋薬、コンテンツマーケティングは漢方薬と表現するとわかりやすいかもしれませんね。

お客様はもちろん、その先にいる消費者のために。

 

――コンテンツマーケティングで、北澤さんが大切にしていることは何でしょうか。


ユーザーの検索意図を深堀りすることを大切にしています。当たり前だと思うかもしれませんが、実はこれができていないコンテンツが世の中にたくさんあると感じています。

記事を読んだとき、「他でも同じようなことが書いてあったな」「何か違うな」と感じたことはありませんか。読み手はがっかりしますし、企業の評価も下がり、問い合わせなどにつながらない、という悪循環に陥ってしまいます。
ニーズに対応するだけでは不足で、インサイトまで深堀りして、コンテンツを用意するべきなのです。

たとえば、「イチゴ おいしいものの見分け方」という検索ワードがあったとします。一見すると、「種まで赤くなっているイチゴがおいしいですよ」というコンテンツがニーズに合っているように見えます。しかし、ユーザーのインサイトは「おいしいイチゴを選びたい」のではなく、「おいしくイチゴを食べたい」なのです。
イチゴの見分け方はコンテンツに入れつつ、「こういうものと一緒に食べると甘みが増幅されるよ」とか「先が白いイチゴでも、こういう食べ方をすると良さが生かせるよ」という情報を追加していくのです。そうすると付加価値の高いコンテンツになります。

 


――お客様だけでなく、読み手のためにもなる考え方ですね。


その通りだと思っています。

「書いてくれた記事のおかげで受注しました!」とわざわざご連絡をくださったお客様がいました。流入経路を聞くと、オーガニック検索から入って、記事を読んだうえで、お問い合わせボタンを押し、商談を経て受注に至ったそうです。

ご依頼してくださった担当者さんの役にも立てたし、記事を読んだ方のミッション達成にも役立つことができたのだと実感しました。お客様のお役に立ちたい気持ちはもちろんですが、その先にいる人の役にも立てたので、うれしさ倍増でした。

成果にコミットするために。


――ネオマーケティングだからこそ提供できる価値もあると思います。北澤さんはどのように考えていますか。


リサーチとクリエイティブのスペシャリストがいることが強みだと思います。

リサーチは2,889万人のモニターさんを抱えているので、さまざまな生活者データに基づくクオリティの高いコンテンツを作れます。またモデレーターといったインタビューのスペシャリストもいます。
クリエイティブでは、デザイナーやWeb広告のスペシャリストがいます。文字情報に視覚情報をかけあわせて、相乗効果を発揮できます。私としては、もっとクリエイティブの方々との連携を深めたいと考えています。

 


――成果にコミットするうえで、技術面以外で大切なことは何だと思いますか。


1つは、継続案件を増やすことです。
コンテンツマーケティングで成果を出すには、コツコツと継続的に取り組むことが大切です。継続案件では月に1回フィードバック会をやっており、PDCAを回していけるので、こちらとしても成果にコミットできます。しかし数記事のショット案件では、「あの記事、その後どうでしたか」と聞く程度で、今後の改善点を示しにくいのです。私自身、もっと継続的な取り組みの重要性をお客様に伝えていきたいです。

もう1つは、上流工程からの参画です。
薬機法や景品表示法のリーガルチェックの結果、「法に抵触するので、それは言えません」という表現が出てくることがあります。お客様に悪気はなく、メッセージには相当な熱量が乗っているのが伝わるだけに、もどかしい思いをしています。しかし、そのまま世に出すと、会社の存続が危ぶまれるリスクもはらんでいるので、リライト案を出してなんとか受け入れていただくようにしています。商品の企画やプロモーションの前段階で関わることができれば、お客様の想いに水をかけることなく、かつ消費者にも伝わる形でスムーズにコンテンツへ反映できるはずです。

 

「すべての人が自分自身に満足できる」世界を目指して。


 

――北澤さんが追いかけている目標を教えてください。

実は仕事に関わらず実現したい目標があります。
それは、全員がねたまず、平和に、楽しく、幸せにくらす世の中を作ること。すべての人が自分にフォーカスしていて、自分自身に満足できていれば、他人の悪いところなんて気にならないはずです。偽善者のようですが、全員がそんな意識を持てたら最高の世界だと本気で思っています。

コンテンツマーケティングを突き詰めていけば、ユーザーそれぞれが必要とするコンテンツに、容易にアクセスできるようになります。コンテンツを通して現状維持ではなく、プラスアルファの成長を実感できれば、不足を感じることもなくなり、他人をねたんだりすることも少なくなるはずです。

このコンテンツマーケティングを通じて、ただ記事の順位を上げるのではなく、ユーザーがそれを読んで成長を感じられて、自分に満足できる世の中を作りたいです。

プロフィール

コンテンツマーケティング ディレクター
北澤 あゆみ

初めはマーケティングコンサルタントとしてスタートし、ネオマーケティングでのコンテンツマーケティングG創立後より管理者としてコンテンツ制作・薬機法等リーガルチェック周りを担当。Saas系企業や化粧品・食品会社などtoCtoB問わず様々なジャンルのコンテンツを作成し、企業様のSEO対策に携わる。